世界予選第1戦の1回戦で勝ったハミド・スーリヤンだが…。トルコで最後のチャンスにかける(撮影=池田安佑美)
イランは男子フリースタイルで全6階級、男子グレコローマンで5階級、オリンピックの出場枠を獲得しており、スーリヤンの挑んだ男子グレコローマン59kg級のみが残っている。
スーリヤンはロンドン・オリンピックのあと、2014年世界選手権(ウズベキスタン)で優勝して実力をアピールした。しかし翌年のダン・コロフ国際大会(ブルガリア)で9位、ピトラシンスキ国際大会(ポーランド)で23位に終わるなど不振。
オリンピック第1次予選だった昨年9月の世界選手権(米国)では、4回戦(準々決勝)でロブサン・バイラモフ(アゼルバイジャン)にバッティングで反則負け。敗者復活戦でユン・ウォンチョル(北朝鮮)に敗れ、この試合でアンフェアな行動があったようで、順位をはく奪されてしまった。
今年3月のアジア予選(カザフスタン)では、初戦で太田忍(日体大=現ALSOK)に敗れ、敗者復活戦を棄権。4月の世界予選第1戦(モンゴル)では初戦を勝ったものの、2回戦でブルガリアの元世界王者に敗れ、敗者復活戦には回れなかった。
今度の最終予選では、イランからはスーリヤンのほか、1月のタクティ・カップ(イラン)優勝のサマン・アブドバリ、同2位のメフルダド・マルダニの3選手がエントリーしていた。イラン協会は最終的にスーリヤンにかけたようだ。
同級には、3月の欧州選手権2位のロマン・アモヤン(アルメニア)、2013年60kg級世界王者のイボ・アンゲロフ(ブルガリア)、ロンドン・オリンピック60kg級2位のラバズ・ラシュキ(ジョージア)、同55kg級3位のピーター・モドス(ハンガリー)らが残っている。
イランの英雄は、強豪の中を勝ち抜いて3度連続でオリンピックのマットに立てるか。
◎ハミド・スーリヤン(イラン)のリオデジャネイロへの挑戦 【2015年世界選手権(米国)】 1回戦 BYE 2回戦 ○[Tフォール、1:28=8-0]Raiber Jose Rodriguez Orozco(ベネズエラ) 3回戦 ○[フォール、1:02=5-0]Jani Jukka Haapamaeki(フィンランド) 4回戦 ●[反則、1:53=0-2]Rovshan Bayramov(アゼルバイジャン) 敗復戦 ●[5-6]Yun Won Chol(北朝鮮) 【2016年アジア予選(カザフスタン)】 1回戦 ●[4-7]太田忍(日本) 敗復戦 ●[不戦敗]Firuz Tukhtaev(ウズベキスタン) 【2016年世界予選第1戦(モンゴル)】 1回戦 ○[7-4]Roman Amoyan(アルメニア) 2回戦 ●[4-9]Ivo Angelov(ブルガリア) |